かゆい

皆さんからご心配いただき、恐縮です。
昨日の夕方、鍼灸院の院長がお詫びに来てくださり、状況について詳しくお伝えできました。
これは賛否両論あると思うのだが・・・
私は、これは非常に希な事故だと思っている。誰も、わざとこうしたワケじゃない。あの日、頭痛がひどかった私に、いつもより深い鍼を刺してくれたのだ。それがたまたま折れただけのこと。鍼が折れるというのは、「ほぼ、ない」と言われている。鍼はもちろん新品だし、消毒されている。脳外科の医師も、「初めてのケース」とおっしゃっていた。まぁ、それくらい、「ないこと」が起きたわけで、これは仕方のないことだと私は思っている。
そもそも、鍼治療というのは、鍼が身体の中に入るというリスクを冒して行う治療で、患者(私)本人が希望しなければ施術されない。私が望んでその治療を受け、それがたまたま・・・という理解をしている。

それに、私で良かったのかな、とも思っている。
これはポーズでも何でもない。
手術経験があり、全身麻酔の経験があり、傷跡が残ることを気にしていない。もしこれが高齢の患者さんだったり、手術が初めてという人だとエライことになっていたかもしれない。
生徒さん達には迷惑をかけたし、たくさん心配もかけてしまったけど、これは運命だ、と思っている。

さて・・・
今、困っていることは、いくつか、ある。
枕を首に当てられないので、眠れない。(傷口のせい)
痰が止まらない。(全身麻酔のせい)
咳も出る。(全身麻酔のせい)
ボルトで頭を固定するために両こめかみに開けた穴(!)が痛い。(手術のせい)
各クラスのレッスンの進み具合が気になる。(レッスンを休んでいるせい)
など。
でも、一番困っているのが、
かゆい
ということだ。

付き合いの長い生徒さんはご存知だが、私はかぶれやすい。
靴下の跡とか、絆創膏の跡とか、蚊に刺された跡とか、いつまでも引きずる。蚊に刺された跡なんぞ、「これは2年前のヤツ」とか、その歴史がわかるくらいだ。
今、私の左腕には7個、右腕には6個、左右の手の甲にはそれぞれ1個の注射痕がある。それがイチイチ内出血しているのだが、そいつがかゆいのだ。
左の二の腕に巻かれていた血圧計(手術後、30分おきに自動で計測されていた)のビニール製のバンドの跡もかゆい。
注射針を固定していた絆創膏など、その形がわかるくらいくっきりと赤くかぶれている。
エコノミークラス症候群防止のために履かされていた異常にきついハイソックスのゴムの跡もかゆい。
気がつくと、バリバリ・・・と血が出るまで掻いてしまう。

もう一つ、かゆい所がある。
髪の毛を剃った跡。
これはものすごくかゆい。
私は26年前に手術した時、胸だったので、剃毛されなかった。胸毛は生えていなかったからだ。ところが同室のおばちゃんは心臓の手術で、大事な所を全部剃毛された。心臓の手術は術後管理が長期間なので、大事な所を剃られるそうなのだ。そのおばちゃんは退院するまでずっと、「かゆい」と言っていた。その時は「ふ~ん、大変なんだなぁ」と思っていたが、頭を剃るというのも大変なんだということを初めて知った。
とにかく、剃り跡がものすごくかゆい。
き~っ
となりそうなくらい、かゆいのだ。

ふと、思った。
お坊さんは、毎日、このかゆみと戦っているのか???
いくら慣れていても、きっとものすごくかゆいのでは???
これって、修行の一つ、という位置づけなんだろうか???
いやはや、お坊さんのご苦労が少しわかったような気がする。

今年還暦を迎えた夫は、頭髪が恐ろしくフサフサである。毎回、床屋さんですいてもらっているくらい、毛量が多い。(その代わり、白髪が多い)
その夫が、「それはさぁ、生えてこようと頭皮が頑張っている証拠だよ!」と言う。
そうなんだろうか。
夫は今まで髪を剃った経験はない。そんな言葉を鵜呑みにしていいのだろうか。
そして夫はこうも言う。
「てっぺんじゃなくて、良かったがや」
はい、確かにそうです。
てっぺんだったらエライことになっとる。どうやっても隠せない。

今は剃った場所と傷口をタオルや手ぬぐいでカバーしている。
汗をかいてはいけないし、剃り跡がチクチクするからだ。
でも本当は・・・
触りたくないのだ。
触るたびに、失った髪の毛を思い出す。ちょこっと、悲しい。
私は元々、物に執着しない性格なのだが、大切にしていた髪の毛のせいか、やっぱりちょっと悲しい。
夫は「若いから、すぐに伸びるよ!」と元気づけてくれる。
う~ん、髪の毛を早く伸ばすよう、タンパク質の豊富な物を食べよう。
ちなみにワカメや昆布は髪の毛とは関係がない。昆布を食べるとハゲない、というのは都市伝説なのである。
髪の毛はタンパク質でできているから、それを補給した方が賢明なのだ。

今日も母がタンパク質の豊富な食事を用意してくれている。
母は、「私がやらねば! 任せなさい!」と張り切ってくれている。母が疲れこんでしまう前に、私が何でもできるようになると、いいなぁ。
しかし・・・
今朝のお味噌汁には、母はまだ迷信を信じているのか、大量のワカメが投入されていたのだった・・・。

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