車椅子用駐車場

今日はちょっと真面目なお話。
昨夜は父の通院だった。
今では父の通院は私一人では難しくなってしまい、昨日は夫が仕事を早引けしてくれた。
父はちょくちょく介護拒否がある。
医院に着いて、車から降ろそうとすると嫌がったり、腕を振り回して抵抗する時もある。いつもではないが。
施設に来てくれるリハビリの先生も「3回に1回は拒否されます」とおっしゃっている。
しかし昨夜は素直に車から降りてくれた。もちろん、自分では降りられないので、私が腰を持って降ろして車椅子に乗せる。

父の様子は日によってずいぶん違う。
昨夜みたいに素直に聞いてくれる時もあれば、血圧測定を拒否して腕を振り回す時もある。
・・・なかなか、ホネが折れるのだ。
そんなわけで、私一人では対応できないことも考えて、今は夫か母が手伝ってくれる。

無事、通院をすませ(昨夜は本当に「無事」だった)、夕飯を食べに行った。
「お父さん、今から夕飯を食べに行こうね」
と言うと、父は顔の前で手を4~5回叩いて、嬉しそうににっこりした。
父は言葉が出ない。
出なくなったのはここ3ヶ月くらい。ほとんどが「手話」である。
先月は「あ・あ・あ・・・」をずっと言い続けていたが、昨日は何かをしゃべっている。しかし、筋萎縮症で舌と唇がうまく使えないので、まったく何を言っているのか理解不能だ。しかしそれも、慣れてくると、なんとな~くわかるのだ。
こんな感じ。
あろりの~ありゃりゃい~ おーいーおんで~ ありゅりゅいよ~

と言って、車窓から見える男性を指さす。
これは・・・
あの人、危ない。コーヒー飲みながら歩いてるよ。
である。
超難問なぞなぞのような会話(?)なのだ。
夫は、「アンタ、アレでよくわかるなぁ」と言うが、まぁ、人間は必死になればなんとかなるもんである。

医院の近くにある大きなショッピングセンターに入った。
ここには大きなフードコートがあり、車椅子でも問題なく食事ができる。そして、車椅子用の駐車場も豊富なのだ。
いつも、どこの車椅子用駐車場へ行くと思うのだが・・・
明らかに車椅子を利用していない車が、車椅子専用駐車場にたくさん駐まっている。
そのショッピングセンターは、車椅子用駐車場が本当に豊富なので、たとえかなりの駐車スペースがうまっていても、一応は車椅子用駐車場に駐車することができる。
だが・・・一番エレベーターに近いスペースは5台中4台が埋まっていた。
もちろん、その残り1枠に駐車したので問題はないのだが、こういう光景を目にすると、いつもため息が出る。
その5台枠に駐まっていた4台は、明らかに車椅子利用者の車ではないのだ。
腰の沈み込む高級セダン、軽四、軽トラ、後部座席が大量のぬいぐるみに占拠された小型車。
これらの車に、車椅子利用者を乗せるのは、絶対に無理である。よしんば乗せられたとしても、降ろせない。

車椅子利用者を車から降ろす時は、車椅子を鋭角に後部スライドドアに横付けする必要がある。(直角に横付けすると、降ろす人・介助者が立つ場所がない。また、及び腰になるので腰を痛めやすい。)
車のすぐ横に車椅子を付ける、ということは、後部ハッチバックから出した車椅子を降車するドアの横まで運ぶことになる。それには結構なスペースが必要になる。そしてその車椅子は、鋭角にドア外に置くのだから、隣の車との間に大きなスペースが必要になるのだ。
車椅子用駐車場というのは、その、「隣の車との間」がかなり広くとられている。
そして、そうでない普通の駐車スペースに車を駐車すると、絶対に、車椅子利用者を車から降ろせなくなる。車の横に車椅子を置いたり、介護者が介助するためのスペースがないからだ。
これは、車椅子利用者の介護・介助をしたことのある人ならば、絶対にわかる。

だから、車椅子利用者を乗せた車は、なんとしても車椅子専用駐車場に車を駐車しなければならない。
昨日のショッピングセンターのように、車椅子専用駐車場が豊富な所はいいのだが、そうでない場所だと、車椅子を明らかに利用していないであろう車がその専用スペースに駐車しているのを見ると、本当に怒りがこみ上げる。

昨夜も、私と夫が父を車から降ろして車椅子に座らせた時、隣の車の運転手が帰ってきた。
買い物袋をぶらさげた60代の男性だった。おひとりで。そして、もちろん車椅子ではない。
ひょいひょい~と小走りに帰ってきて、車椅子にえんやこら~と父を乗せている私たちを見ても、何も感じないようで、そのまま車で走り去った。
車椅子専用駐車場に、車椅子利用者でない人が駐車して、何も心がとがめないのだろうか。
とがめないんだろうなぁ。
だから、平気に駐車できるんだろうなぁ。
だから、バツの悪そうな顔もしないんだろうなぁ。

車椅子の父を連れていると、いつもは見えないことが見えてくる。
エレベーターに乗せるのに苦労していると、「開く」のボタンを長押しして待っていてくれる人。
車椅子の父を先にエレベーターから降ろすのに協力してくれる人。
自動ドアの「ここを押してください」のボタンを押してくれる人。
親切な人も本当にたくさんいらっしゃる。その親切が、私の心を軽くしてくれることも、たくさんある。
でも、父の車椅子の周りを走り回る子供を注意しない親や、父を指さしてアレコレ言う老婦人団体もある。
心ない人も本当にたくさんいる。

特別に親切にしてもらう必要はない。
でも、せめて、車椅子利用者でない人が、車椅子専用駐車場に駐車するのだけは、やめていただきたい。
これはたぶん、全国で見られる光景だと思う。名古屋だけじゃないと思う。
こんなことは国会でも問題にしないんだろうが・・・
そして、規則・罰則化されることもないんだろうが・・・
人の良心というヤツに、期待するしかないのだ。

これから先、車椅子利用者は増えるだろう。
いつか、誰かが、問題視してくれるといいなぁ。




この記事へのコメント

  • ホイールチェア

    私の娘は車椅子を使っていた時期があります。私の運転する車に車椅子(自走)を積んでいました。後方がスライドドアの軽四です。障害者用スペースが空いていても滅多に停めませんでしたが。

    ゆっくりなら自分で車に乗り降りが出来たり、支えがあれば少し歩ける人も車椅子を使います。
    軽四や、腰の沈み込むタイプの車でも車椅子を積んでいる場合もあります。軽トラで年寄りを連れて来て商業施設のレンタルの車椅子を借りる事もあるかもしれません。ぬいぐるみの好きな子供も車椅子を使うかもしれません。

    自分の家族が車椅子を使うようになって、見た目からはわからない障害を持つ方の事を少しだけ考えるようになりました。
    でも!!明らかに明らかにお元気そうな方が障害者スペースに停めているとやはり腹立たしいです。駐車場だけでなく障害者用のトイレもです。中でメイクしたり着替えたり本当に大迷惑です!
    2017年09月12日 02:27