執念とド根性

昨日の夜、テレビを見ていたら女子レスリングの登坂選手が出演していた。番組は真面目なトークショーだった。
その中で登坂選手は、「負けて『楽しい』なんて、ありえないです。勝つから楽しくて嬉しいのです」と言っていた。負けず嫌いの登坂選手には、レスリングという競技はぴったりなのだろうなぁ、と思った。
小学生の頃、一度も勝てなかった選手を追いかけて、数々の試合に出場したそうだ。なかなかのド根性である。
そして私は、こういう「ド根性」が大好きである。
よく生徒さんから、「先生、頑張るの、好きなんですねぇ」と言われるが、そのとおりだ。
到底達成できそうもない事柄には頑張らないが、頑張ればできそうな事には必死に頑張る。

ここ最近頑張っているのは、ボウリングだ。
このボウリングのネタについては、ここんとこブログでも紹介している。
元々は、知的障害のある義弟が、作業訓練所の親子ボウリング大会に出場したい、と言い出したところから始まる。夫がボウリングはかなり上手いので、夫に行ってもらうことになっていたが、仕事の都合で参加できなくなり、私に「お鉢」が回ってきた。
ボウリングは、私にとって、人生最大の恥部である。
私はとにかく、ボウリングがものすごく下手くそなのだ。
100点を超えたことなど、私の人生に2~3回しかない。普通は40点くらい(!)しか取れないのだ。ちょっとびっくりするくらい、下手なのである。
せっかく親子ボウリング大会に出るのだから、義弟が恥ずかしい思いをしなくてもいいように、猛特訓することとなった。

昨日は義弟の元へおかずを届けに行ったので、2人でボウリングの練習に出かけた。
彼の住む夫の実家から車で20分くらいのところに、古いボウリング場がある。
義弟にもボウリング・シューズを買ってあげたので、2人で真新しいシューズに履き替え、いざ、レーンに向かった。
肝心のボールだが・・・
義弟は「ボールはなんでもいい」という投球方法なので、何のこだわりもない。
私はいつも、11ポンドの、指穴の小さいボールを使う。
ところが、である。
昨日はそのボウリング場で「健康ボウリング教室」なるものが開催されており、私が使える11ポンドのボールが全部出払っていた。3個しか、なかった。その3個は全部、指穴が巨大。指に合わないどころか、運ぶのさえもできない。穴に指を入れても、スッカスカのガスガスなのだ。これはいかん、と思い、12ポンドのボールに挑戦してみた。

結果・・・
撃沈である。
指穴は11ポンドのボールよりも少しは合ったのだが、基本的に、スッカスカのガスガス
どうにも、投げられない。
そういう私を横目に、義弟は例の安定した投球フォームでフックボールをばんばん投げていく。
両手でボールをがっしりとつかみ(一応、穴に指は入れている)、どたどたどた~っとラインまで走り、ライン直前でピタッと止まる。(なんのための助走なんだ・・・)
そして、ゴトンとボールをひねって落とす。ボールはレーン右端に沿ってものすごい回転をしながら進み、ピンの直前で左へ大きく曲がって、ピンを跳ね飛ばしながらボールは進み続ける。
昨日の義弟のハイスコアはなんと、146点だ。
優勝しちゃうんじゃないか??? と思わずにいられない。
一方私は、先日の夫とのボウリングでは100点超えを3回出したにも関わらず、ハイスコアで84点。
・・・なにやってんだ、私。

アレはやっぱり、マグレだったのか?
やっぱり、全然ダメなんじゃん!!
と、がっかりしながら名古屋へ戻った。
いや、アレはボールの穴が全然合っていなかったからなんじゃないだろうか?
もう少し合うボールだと、また100点を超えるんでは?
私の疑問は膨らむ。
そこで、一旦帰宅してから、我が家の近所のボウリング場へ行った。
ここまでくると、執念とド根性である。

スポーツをやる人、スポーツに打ち込んだ経験のある人はわかると思うが、そういう人たちは、
悪いイメージで一日を終わりたくない
という思いが強い。きっと、いや、確実にその夜は眠れない。悔しいし、意気消沈するし、自分のやり方のまずさに混乱する。
「ハイスコア84点」では、平和な夜は迎えられない。
鼻息荒く、ボウリング・シューズを持って、リベンジに出かけたのである。

ひとりぼっちのボウリング。
寂しいかな~と思ったが、夕方のボウリング場は、私のような「おひとり様」だらけだった。
上手な人ばかりではなく、私のような初心者も多く、皆さん一心不乱にボールを投げていた。見方によっては、かなり異様な光景だ。
「3ゲームお願いしますっっ」 ←受付の段階で、すでに鼻息が荒い
よくよく考えたら、義弟と4ゲーム投げている。そして更に3ゲーム投げようというのだから、ちょっと無謀だったかもしれないが、せっかく来たのだから、ゆっくり練習しようと思った。体力の余力もじゅうぶんにあった。

そこそこ合いそうなボールを見つけ、いざ、レーンに向かう。いつも投げている11ポンドの、指穴の小さいボールだ。先日はこれで、アベレージが95点まで来たのだ。
「あの感動を再び!」という感じだった。
他のレーンでは、ほとんどが私のような「おひとり様」で、皆さん、とても集中して練習していた。誰も騒がず、誰も拍手もせず、黙々と投げている。・・・やはり、異様な光景だ。
静かなボウリング場は、ピンの弾け飛ぶ音しかしていなかった。
・・・これは、集中できる。

そして、私も黙々と投げた。
しっかり集中して、雑念を振り払い、慎重に投げた。
「ああ~」と落胆する夫の声もなく、どたどた~っと走る義弟の足音もない。静かな、まことに良い環境だ。昔、弓道をやっていた頃を思い出した。
・・・すると。
なんと、1ゲーム目で、139点を出したのだ!
もちろん、私の人生で初の130点台だ。
先日の114点が、これまでの最高点だった。それが一気に139点まで来た。
このゲームではストライクが4回、スペアが2回あった。それくらいできると、130点台に乗るんだなぁ。

心を落ち着かせて、2ゲーム目。
ちょっと疲れも出ている。この日の6ゲーム目なのだから、疲れても当たり前かもしれんが。
失投もあったが、ストライクもあり、スペアは取れずで、88点。
ボウリングを始めた頃(17日前)のアベレージが60点台だったことからすれば、じゅうぶんだ。

ついでに投げた3ゲーム目。この日の7ゲーム目に当たる。
ストライクが1回、スペアが3回で、112点。
上出来だ。
というか、私にとっては、上出来すぎる。
結局、このリベンジ3ゲームは、アベレージが113点になった。

夜遅く帰宅した夫に、スコア表を見せびらかした。
「や~い! 139点取ったよ~!」
と言うと、ギャフンとは言ってくれなかったが、かなり喜んでくれた。
そして、リベンジ3ゲームに至った状況を説明すると、
「アンタ・・・ものすごい執念とド根性だなぁ」
と、半ば呆れていた。
「見たか! これがスポーツマンのド根性だ!」
と言うと、
「う~ん・・・女性で7ゲーム投げるって・・・ものすごい根性だなぁ。よっぽど、悔しかったんだろうなぁ。」
と夫は唸った。

そう、「頑張り」を支えるのは、執念とド根性なのである。
そして強迫観念
なんとかせねばならん、どうにかしなくちゃ、の思いが私をリベンジ3ゲームに駆り立てたのだ。
言い換えれば、私は追い詰められないと、ダメなんである。

7ゲームも投げたから、筋肉痛になるかな~と思っていたら、それが何ともなかった。
段々、慣れてきたようだ。
今日もみよし市の市民講座へ行ったが、筋肉痛は全くない。身体は絶好調である。
このまま猛特訓をしていると、またお尻が更に固く、大きくなるかもしれん。
更なる体力作りにつながるような気がする。
来週にはマイボールができあがる。
アベレージが100点超えれば、マイボールを持っていても、恥ずかしくない。と、思う。たぶん。
できあがるのが楽しみだなぁ。
これはいよいよ、親子ボウリング大会優勝を目指せそうになってきたぞ~!








この記事へのコメント

  • ブルーハワイ

    "鼻息荒く" で思わず笑っちゃいました。
    この勢いなら150点、いえ200点越えもありですね。
    2017年06月01日 23:04