メリーモナーク2017 ミス・アロハ・フラ カヒコ解説

ミス・アロハ・フラの前半(カヒコ)の解説です。
なお、これはあくまで私の個人的見解・意見です。クムやオラパの考えと一緒でないこともあるかと思います。
どうかご了承ください!

ミス・アロハ・フラ カヒコ

1 Hālau Ka Liko Pua O Kalaniākea - Kumu Kapua Dalire-Moe
「Nani Pu`uwai」
ヒューエット氏の曲です。ハワイ島のボルケーノ・ナショナル・パーク内にあるプウ・プアイ周辺の自然と愛を描いています。ここでは霧雨が降り、レフアがたくさん咲いています。アパパネ鳥がそのレフアの蜜を吸う、と歌っています。アパパネ鳥はとても小さい、赤い羽根の、ミツスイ鳥の1種です。
ボルケーノ・ナショナル・パーク内の博物館には、その剥製が展示されていて、鳴き声の録音を聞くことができます。
薄いグレーの7分袖ブラウスに同じ生地のパウ。赤ウリウリです。アパパネ鳥を表現していますね。レイはシンプルに2重に回したマイレ。とてもナチュラルな印象の衣装です。
ウリウリの持ち替えがないので、1回目も2回目も同じモーションです。2番で花の蜜を吸うシーンが出てきました。3番だけノホというのは面白い演出です。ダウンの高さが良いですね。ダウンはこれくらいしてほしい、というダウンステップでした。

2 Hula Hālau `O Kamuela - Kumu Kau`ionālani Kamana`o & Kunewa Mook
「He Inoa No Pauahi」
パウアヒ・ビショップ王女に捧げるメレ。パウアヒ・ビショップ王女とは、カラカウア王・リリウオカラニ女王の兄弟姉妹の養い親であるパーキーとコーニアの実の娘です。カメハメハ1世のひ孫に当たります。また、この時代のハワイ王族に珍しく、恋愛結婚をしています。彼女のご両親はカメハメハ5世と結婚させたかったようで、かなりの反対に遭いましたが、意思を貫いて結婚します。なんとニューヨーク(!)でビショップ氏と出会っています。現代的でドラマチックですね。
また、カメハメハ1世の直系で、ハワイ諸島の9%を占める土地を所有していたため、その土地を利用し、カメハメハ・スクールの発展に尽力しました。
白の大きなフリルのついた長袖ブラウスに水色のパウ。袖とフリルはレース素材。レイとハク、クペエはすべて黄色のレフアです。この時代のフラらしい、品の良さがあります。
オリはノホ。一つ一つのモーションを非常に丁寧に踊っています。ステップも正確で、アイカヴェルステップとカラカウアステオップがお手本のようです。派手さや特別な演出はありませんが、とにかく丁寧で繊細で品のあるフラでした。

3 Hālau Ka Lei Mokihana o Leinā`ala - Kumu Leinā`ala Pavao Jardin
「Ka Poli Laua`e O Makana」
カウアイ島のクム、ヘンリー・パーが贈ったチャントのようです。
マカナとはカウアイ島の地名で、この崖の上から火の付いた縄を落とし、火が消えずに下まで落ちたら恋が成就する、という言い伝えがあります。マカナが歌詞に出てくると、その多くはラブソングです。
このクムは私の先代クム、レイ・フォンセカからウニキを受けています。
衣装はカウアイ島の象徴である紫(むら染め?)のかぼちゃブラウスにティリーフのパウ。ティリーフの下には紫と黄色のパウを重ねばき。ズボンは黄色です。レイはマイレ・ラウ・リイです。
このハラウは昨年のミス・アロハ・フラでも、オリが非常に良かったです。今年もオリはいいですね。私の好みです。
スラッシュレレウエヘはレイ・フォンセカもよく使っていたステップ。会場をとても大きく使っています。力強いステップですね。アミ・ククが毎回出てきて、愛の歌らしい振り付けになっています。ボリュームのあるお身体(失礼!)なので、オリのボリューム、カーヘアの力強さが最後まで衰えませんでした。ホオパアも途中からコーラスになっていて、愛を強調しています。
こういう重量感のあるカヒコを見ると、なんだか安心します。

4 Hālau Nā Lei Kaumaka O Uka - Kumu Nāpua Greig
「Auhea Wale Ana `Oe, E Ka Ua `Ulalena」
ケアリイ・レイシェルのCDにも入っているチャントです。ウラレナとは雨の名前です。マウイ島にあるピイホロ山の自然を歌っています。
茶色のサテン地の7分袖ブラウスにティリーフのパウ。下履きは白のパウとズボン。レイ、ハク、クペエはたぶんアアリイ。黄緑色の花びらが小豆色に変わっていくカルスター状の花です。ブラウスとの色バランスが良いです。
長めのカーヘアで迫力があります。この方もボリュームのあるお身体なので、カーヘアもオリも音量たっぷりです。
1回目は右手右足から、2回目は左手左足から。振り付けもかなり複雑。移動距離も申し分ないです。これだけハードに踊った後のホイでは外クイを多用。最後まで迫力が衰えませんでした。

5 Ka Pā Hula O Kauanoe O Wa`ahila - Kumu Maelia Loebenstein Carter
「Aia I Ka `Ōpua Ko Lei Nani」
カラカウア王の妻、カピオラニ女王を讃えた「Aia I」シリーズのチャントの1つです。去年のメリーモナークでは、この「Aia I」シリーズが何度も演じられましたが、今年はこの1曲だけです。
昔ミス・アロハ・フラを取ったクムですね。いつまでもお綺麗です。
くすんだ薄いピンクの長袖スタンド襟のブラウスにそれより少し濃い色のパウ。レイはマイレを斜め掛け。王族のフラらしい衣装です。髪はココでハクが赤のボリュームあるレフア。クペエは赤いレフアとリコレフア。清潔感のある印象です。
1回目は右手右足から、2回目は左手左足から。うまく余分な勢いを抑えた美しいカヒコです。これだけ勢いを抑えるようにコントロールするのは非常に難しいです。シフォン生地のブラウスですが、どんな動きにもシワが寄ったり生地が動いたりしません。これだけ上半身を安定させるには大変な脚力が必要です。品のあるフラですが、それは、それを支えるだけの十分な下半身の安定があるからです。非常に良くコントロールされていて美しいですね。

6 Kawaili`ulā - Kumu Chinky Māhoe
「Ua Nani Hā`ena I Ka `Ehu Kai」
ペレ物です。ペレがカウアイ島ハーエナでロヒアウ王子と恋に落ちる、というお話です。実際にはペレはキラウエアで聖なる火を守らねばならないので、彼女の魂がカウアイ島へ行った、という説もあります。ペレはマイレ、ラウアエ、レフアのレイを身につけ、ロヒアウ王子と出会った、と書かれています。
薄いオレンジの巻き巻きブラウスに黄緑のパウ。パウの柄は「波」を表現していますね。下履きは濃い緑のパウとオレンジのズボン。レイはマイレ。
スピーディで迫力あるカヒコ。ハーエナに吹く強い風や激しい波がよく表現されています。ステップがとにかく複雑です。かなりの種類のステップが次々と変わっていきます。それでいて、4歩目のパーを確実に付けています。こういうところに基礎力が出ますね。形がきれいなことも大切ですが、こういう基本がきちんと抑えたフラというのは安心します。

7 Ka Lā `Ōnohi Mai O Ha`eha`e - Kumu Tracie & Keawe Lopes
「Wahiikaahuula」
これはまた、マニアック(失礼!)な王族を取り上げましたね。ハワイ人でも、この方を知らないという人は少なくないでしょう。
題名の「Wahi`ika`ahu`ula」は、アビゲイル・キャンベル・カヴァナナコア王女のミドルネームです。誰、それ?という声が聞こえてきそうです。
アビゲイル王女の父親は、ハワイ王国で大成功した大地主(元々はサトウキビ産業だった)のスコットランド系白人であるジェームス・キャンベルです。お母様はマウイの酋長の血統を継ぐハワイアン。とてつもない大金持ちのお嬢さんです。そしてデビッド・カヴァナナコア王子と結婚します。彼は、カピオラニ女王の末妹ビクトリア・キノイキ・ケカウリケ王女の息子です。アビゲイル王女は大金持ちの娘だけれど、生まれついた身分は王族ではありませんでした。デビッド王子と結婚したことにより、王族のメンバーになります。デビッド王子の死後、彼女はネイティブ・ハワイアンの経済と発展に尽力しました。このメレの中では、「ハワイ王国の輝ける花」と称されています。確かに、大変な美人でもありました。
白の長袖スタンド襟、総レースのブラウスにオレンジ系カメオのブローチ。白いパウはウエストをしっかりマークしてあるところに、この時代を感じます。パウはもう3~5センチ長くても良さそうな・・・。レイはイリマ。
1回目は右手右足から、2回目は左手左足から。力強いわけではないけれど正確はヘラステップです。小柄な方なので、ヘラが多用されて移動のないカヒコソロだと、ちょっと地味な印象になります。その分、カイとホイでしっかり動かせてバランスを取っています。

8 Hālau o Ka Hanu Lehua - Kumu Kamaka Kukona
「Iā `Oe E Ka Lā」
スタンダードなチャントです。カピオラニ女王の従姉妹が、カラカウア王が世界漫遊の旅に出発するに際して作ったチャントです。「Ka Ipo Lei Manu」も同じシチュエーションで作られていますが、これは女王自身が作った曲です。
濃いクリーム色のスタンド襟8分袖サテン地のブラウスに小豆色のパウ。レイはブラウスとパウの色に合わせてレイ・フル(鳥の羽根のレイ)とマイレの斜め掛け。髪はココ。カヒコにしては少しお化粧が強いかも。
袖が上にも膨らんでいるブラウスだと、肩が揺れるのがバレてしまいますが、うまく処理しています。
1回目は右手右足から、2回目は左手左足から。オニウがきれいです。
ホイの時に、口を開けたり閉じたりがあり、少しそれが目立ちました。このメレだと、カイとホイは基本的に笑顔で踊りますが、ホイで笑顔が失われてしまいました。

9 Hālau Kekuaokalā`au`ala`iliahi - Kumu Haunani & `Iliahi Paredes
「Pua I Lehua」
これもテーマが全く同じです。カラカウア王が世界漫遊の旅に出発する時に妻カピオラニ女王が作ったチャントです。同じテーマの曲が続くのは残念ですが、興味深い比較になるかもしれません。
薄紫の総レース長袖ブラウスに同生地のパウ。黄色系カメオのブローチ。レイはイリマと斜めがけマイレ。ハクは赤いレフア。ハクに色物を使う時は、レイの色物も同じ花にするのが一般的ですが、これは珍しいですね。時代と背景からすると、ハクはパラパライだけでも良いような・・・。髪をココにしてイリマの小さめのハクでも良いような・・・。題名にきっちり合わせるなら、レイもイリマではなくレフアでも良いような・・・。イリマにしてしまうと歌に合わなくなるが時代には合う。レフアにすれば歌に合うが時代には合わなくなる。難しいです。
1回目は右手右足から、2回目は左手左足から。指先が少しアウアナの香りがする。好みの分かれるところです。丁寧なハンド・モーションと、アウアナの感じが出るハンド・モーションとは違う。ここらへんが本当に難しいですね。

10 Hālau Hi`iakaināmakalehua - Kumu Robert Ke`ano Ka`upu Ⅳ & Lono Padilla
「Māewaikalani」
フラ・マイ(子孫繁栄の歌)の1種です。作詞したのはカピオラニ女王の末妹キノイキ・ケカウリケ王女。カピオラニ女王が月夜にヤシの林の下で座っていると強い風が吹き、女王の美しい髪がふわりと舞った、という内容です。当時、王族のマナ(霊力)は、髪や爪などに宿ると言われており、カピオラニ女王の髪は人々にとって聖なるものだったでしょう。今年はキノイキ・ケカウリケに関係する歌がよく出てきますね。確か去年はカピオラニ女王がかなり多かった。傾向ですかね。
黄色のサテン地のフリルブラウスにくすんだ紫に黄色の柄入りのパウ。レイはイリマと斜めがけマイレ。イリマが短めで、ブラウスのレース襟によく合っています。
イルカのオリ(早口オリ)。今年はイルカのオリが少なかったですね。
1回目は右手右足から、2回目は左手左足から。スカートの重厚感がステップを引き立てています。途中、物語どおり、ノホで髪を触る振り付けがありました。

休憩をはさんで、次はアウアナです!

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