一体感を出すには

ホヌスキーさん、いつもコメントをありがとうございます!
グループ・フラで、どのように一体感のあるフラにするか・・・
私はいつも、どうやってそれを生徒さん達に教えているか・・・
整理して考えてみました。

まず、一番にお伝えしなければならないのは、一体感のあるフラが踊れるようにするには、
先生主導の方法
が最も多い、ということです。
「先生」が主導するのが、一番効果があり、その方法もたくさんあります。
一方、生徒主導で一体感のあるフラを踊ろうとするのは、不可能ではありませんが、その方法も少なく、難しいです。

「先生」が主導して、一体感のあるフラを踊るには・・・

・「角度」と「タイミング」を合わせるよう指導する。
1曲を通して全部が一糸乱れぬ揃ったフラをするのは非常に難しいです。もちろん、そういう技術を持った教室やクラスもあるでしょうが、それにはメンバー全員の技術レベルがほぼ同じでないと難しいです。各自の練習時間や環境、体格差や身長差があると、一糸乱れぬフラというのはなかなか踊ることができません。
技術レベルがまちまち、体格差もある、練習時間もあまり確保できない・・・となると、「多少乱れてはいるが、それなりに一体感を感じさせるフラ」を目指すのが得策です。
「多少乱れてはいるが、それなりに一体感を感じさせるフラ」にするには、なんと言っても、「角度」と「タイミング」です。
このタイミングで手を上げる、このタイミングで身体の向きを変える、このタイミングで踏み出す、など、まずはタイミングを合わせます。
それができるようになったら、「角度」を合わせます。
手のひらの角度、二の腕の角度、顔の角度、身体の角度、などを合わせます。
それにタイミングを合わせ、このタイミングでこの角度に顔を合わせる、このタイミングでこの角度に身体の向きを変える、と、「タイミング」と「角度」を合わせます。

・「ここ」を合わせてほしい、と合わせる所を明確に指導する。
前述の「タイミング」と「角度」を合わせるのに、1曲をとおして全部を合わせるのは難しいです。もちろん、合えば最高なのですが・・・そんなのはメリーモナークのレベルです。
・・・であるならば・・・
「ここ」と「ここ」と「ここ」は合わせましょう! のように、「絶対に合わせてほしい所」を明確に先生が決め、生徒に指導するのが得策です。
私はいつも、「ここだけは合わせて~!」と指導しています。その、「ここだけ」を合わせるだけでも、相当、一体感が出せます。

・「枠」を崩さないように指導する。
踊っているグループの、「枠」が崩れると、一体感は出せません。
四つ角を踊るメンバーの腕にかかっています。この四つ角のメンバー(4人)が、きちんと「自分の位置」をしっかり守って踊れば、「枠」は崩れません。
よく、最前列に上手なダンサーをまとめて配置するグループを見かけますが、重要なのは最前列が上手いかどうかではなく、四つ角がどれだけ位置を守れるダンサーであるか、の方がずっと重要です。
要するに、「上手いけど位置がずれる」というダンサーは四つ角には適しません。逆に、「たまに踊りを間違えたりはするけど、絶対に自分の位置を守れる」というダンサーの方が、四つ角には適しています。
また、3列以上の大人数で踊る場合は、2列目が最も重要になります。
1列目が上手(かみて)の方にずれていってしまった、とします。その場合、2列目はどうするか? 正解は、「それでも2列目は、ずれてはいけない」です。もし2列目も1列目に合わせて上手(かみて)方向にずれていってしまうと・・・当然3列目や4列目もずらさねばなりません。そうすると、「枠」が守られなくなります。枠全体が上手(かみて)に寄って踊る・・・という、人口密度バラバラの恐ろしいフラになってしまいます。そのようなことから、大人数のグループの場合は、四つ角だけでなく、2列目も「自分の位置を守れる人」にする必要があります。
ダンサーの並び順は先生が決めるのが普通なので、先生はそこらへんを調整しながら「枠」を作ります。そして、四つ角を踊る人や2列目のメンバーには、「いかに自分の位置を守るかが重要」ということを繰り返し指導します。その「枠」がしっかりすれば、一体感のあるフラが踊れるようになります。

・メンバーを鼓舞させる
「?」と思われるかもしれませんが、これ以外の言い方が見つかりません。
イベント当日に向かって、ダンサーの気持ちをどんどん盛り上げていきます。
グループで踊る楽しさを感じていただき、グループのフラとしての美しさをきちんと伝えます。
「ここをこうすると、お客様からきれいに見える」「ここを一番繊細に踊る」など、具体的に、「お客様から見た美しさ」を説明し、その部分を繰り返し練習します。
「お客様から見た美しいところ」と「踊る人が感じる美しいところ」は案外、違うものです。メンバーを半分に分け、片方に踊ってもらい、片方がお客さんの役をしてもらうと、お客様がどこを見ているか、どこで美しさを感じるかがわかります。
「お客様目線」を意識しながら指導していくと、「お客様にフラの美しさを見てもらいたい!」という気持ちが高まります。

・・・と、ここまでは、先生が指導することによって、一体感のあるフラを作っていく方法。
ここに書き切れませんが、たくさんの方法があります。
一方、生徒さん達が主導して、一体感のあるフラを作るのは非常に難しいです。
難しいは難しいのですが、不可能ではありません。
私の生徒さん達は、次のようなことをしています。

・「基準」を決める。
普通、ハワイのハラウでは、「基準」になるダンサーがいます。
私のクラスでも、「基準」を決めています。「基準」は、1列目の上手(かみて)の角の人です。
振り付けによっては1列目の真ん中の人になることもありますが、9割以上は「最前列・上手(かみて)・角」の人です。
列のラインやステップ、腕を含む上半身の動きはすべて、この「基準の人」に合わせます。
2列目の上手(かみて)の角の人は、その「基準の人」に合わせます。3列目の上手(かみて)の角の人は、その2列目の人に合わせる・・・というように、各列すべてが一番上手(かみて)の人を基準にします。
踊りも位置も、全部、その列の一番上手(かみて)の人に合わせて踊ると、かなり一体感が出せます。その各列の一番上手(かみて)の人は、最前列の上手(かみて)の角の人を基準にしているわけですから、この「基準の人」というのが最重要人物(!)になります。
その「基準」に合わせることに努力するのは、生徒さんみんなで取り組めます。
とにかく、自分の左にいる人に合わせていく、という練習をしていくと、自然に一番上手(かみて)の人に合っていきます。
まずは、自分の左の人に合わせていきましょう。
私のクラスでは、ベーシック・ステップの練習の時から、左の人に合わせるようにしています。

・前後左右を「察する」。
隣との間隔だけでなく、ステップの歩幅や手のモーション、腕の高さなど、隣の人を察しながら踊る努力をします。
フラは、見るべき場所を見て踊るわけですが、そんな時にも視界の端を気にしながら踊ります。そして何気に隣の人を察するわけです。
これは、長く一緒に練習しているメンバーには難しいことではありません。メンバーが入れ替わり立ち替わり、というクラスだと、難しいかもしれません。
しかし、たとえメンバーの入れ替わりが激しいクラスでも、元からいるメンバーの方が多いでしょうから、その元からいるメンバーの中に包括する、という考え方で、「みんなと馴染んで踊っていく」という練習をすると良いと思います。
「馴染む」というのは、プライベートに踏み込んだり、仲良くなったり、ということではなく(もちろん、仲良くなれれば最高です)、一緒に踊るということに慣れてもらう、ということです。レッスン中は、お互いに「仲間」という意識が持てれば、馴染んだ踊りができるようになります。「仲間」の意識が生まれれば、前後左右を察することができます。

・注意事項を共有する。
先生にフラのことで質問する時、みんなのいる場所、みんなが聞ける環境で尋ねましょう。
レッスンの休憩時間やレッスン後に、先生に個人的に質問するのは悪いことではありませんが、その教えてもらったことをメンバー全員で共有するのが難しいです。もう帰ってしまっている生徒さんもあるでしょうし、トイレに立っている生徒さんもいるかもしれません。ぜひ、船員のいる場で、みんなでその情報が共有できる環境で質問してください。
だいたい、1人が疑問に思うことは、他の人も疑問に思っています。みんなで、「なるほど~!」となると、それだけでも一体感が出ます。そして、「よしっ! 頑張ろう!」と、みんなで感じることができます。

・・・生徒さん主導だと、できることはこの3点かと思われます。
特別に自主練習しなくても、普段のステップの練習から左の人に合わせる努力をし、隣の人を察しながら踊っていけば、それだけでも一体感は出せます。
練習時間が長いから一体感が出せるのか、と言えば、決してそうではありません。
私のクラスもカルチャー教室ですから、練習時間は限られています。しかし、限られていると、逆に集中力が出ます。
一緒に練習できる時間が少なくても、一体感を出すことはできます。(と思っている)
ちょっとした意識でずいぶん変われるものですよ。

長文になってしまいましたが、少しでも参考になれば嬉しいです!








セントレアのイベント出演

先週末は毎年恒例のセントレアでのハワイアン・イベントだった。
ドゥ・ハワイ主催のアロハ・ハワイ・ネイ・フェスティバル in セントレア
このイベントは毎年大勢のお客様がご来場くださる。ステージも大きく、天井も高く、ステージ背面には大画面のディスプレイもある。私も生徒さん達も楽しみにしているイベントだ。

今年は私がMCをするのは13日だけだったので、ちょこっと余裕があった。
・・・が、MCの間はトイレへ行けないし、食事もままならない。なかなかの体力仕事なのである。
こんな感じ。
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セントレアのキャラクター「ナゾの旅人フー」と一緒に。
今年の「フー」は、写真撮影に引っ張りだこだった。動きもお上手だったなぁ。

そして、この13日は、ドゥ・ハワイ・カルチャースクールの出演もあった。
私自身は、MCをしながら化粧をして着替える、という状態だったが、楽屋のお世話を直美先生やベテランの生徒さん達がやってくれたのでスムーズに準備できた。特に今回は、初めてステージに出る、という初心者・初級者クラスの生徒さんがいらっしゃったので、準備に手間取るかと思ったが、これも直美先生と経験を積んだ生徒の皆さんが協力してくださり、時間までにきちんと準備できた。
いやはや、皆さんのご協力に感謝、感謝である。

教室紹介の文章も自分で読み・・・ ←焦っているので早口だった
ステージがスタート。

1 ハワイアン・ララバイ
初級者クラス・初心者クラスの皆さん。全員がステージ初心者。しかも、2クラス合算での出演だったが、一度も一緒に練習していない!!
・・・という私と直美先生の心配・不安をヨソに、素晴らしいフラを踊ってくれた。
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こういうポーズはまだ揃わなかったりするのだが、このような一瞬を切り取る写真と違い、ビデオではかなりキレイだった。
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なんと、フラを初めて3ヶ月、という生徒さんもいたのだ~!
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堂々と、ちゃんと胸を張って、美しい姿勢で踊れていました。
大敢闘賞!

2 ハナウマ
中級クラスの皆さん。
これは私が先代のクム、レイ・フォンセカに弟子入りした当初に習った曲。私にとっては思い出深い曲だ。
かなりスピーディで、動きも大きく、右のステップと左のステップが違う、という難解なステップ。例えば・・・右レレウエヘから左スピン、のような感じだ。踊る人の腕前が歴然となり、特に体重のかけ方を間違うとエライことになる・・・というナンバー。
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びっくりするほど速いテンポの曲だが、こういう一瞬を切り取る写真でもよく揃っている。
下の写真はハナウマ・ベイへ下るくねくね道のポーズ。手と手の間がしっかりと空いているので、速いテンポでも優雅さを感じる。
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総勢18名。迫力がある。カーヘアも音量たっぷりだった。
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ポーズへ向かう途中でも、よく揃っている。
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難しい曲だし、速いし・・・と思い、今まで生徒にこの曲を教えることをためらっていたが、やってみて、大正解だった。
この曲に関しては、「速い曲なのに、一体感を持って踊る」というのが、私が決めた目標だったのだが、それは十二分にクリアできていた。迫力もあり、力強さもあり、それでいて焦らず、慌てない。素晴らしい出来映えだった。

3 クウ・レイ・アヴァプヒ
直美先生のソロ。
踊り慣れた曲とはいえ、今回は自分の教えている初心者クラスが初出演するため、なかなか練習できなかった。
「自分のことは一番、後回しになるんですねぇ」と言っていたが、そのとおりなのである。それがわかれば、先生として一人前なのだ。
生徒さんがいかに楽しくステージで踊るか、生徒さんがいかに充実したフラを踊れるか、ステージがいかにスムーズに進行できるか、というのが先生のステージにおける仕事だ。自分が踊ることとか、自分の化粧や着替えなんぞは、どうでもよくなる。というか、そんなことに力を尽くしてはいられない。優先順位が違うのである。直美先生の、前述の言葉を聞いて、「ああ、一つ階段を昇ったなぁ」と実感し、嬉しかった。
・・・という、練習不足のフラ。(失礼!)
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練習が積めていなくても、基礎力があれば、美しく踊れる。ただ、練習が不足していると、気が焦ったり不安になったりする。それでも、それを表に出さずに踊れていて、良かった。
この「花」のポーズは非常に美しい。
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遠くを見るポーズもキレイ。ステージの「奥行き」を感じる。
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実はこの曲は、カホロとカオしか、ない。
こういう曲ほど、腕がわかる。
以前に直美先生がこの曲を踊った時より、数段良くなっていた。

4 カウラナ・ナー・コナ
上級クラスの皆さんの登場。
仕込みが一番大変だったのが、この曲。
この曲も先代クム、レイ・フォンセカから習った曲だが、難しすぎて、今まで誰にも教えたことはなかった。
練習時間の限られているカルチャー・スクールとしては無謀な挑戦
とも言えるナンバーだったのだが、皆さん大変な努力をされたと思う。
ステップは左右が違い、元の位置に戻れないステップワークだし、手のモーションも複雑でダイナミック。コンペに出してもおかしくない、というか、かなり高得点が見込まれる内容になっている。それにカルチャーセンターの生徒さんが挑もうというのだから、上級クラスとはいえ、生徒の皆さんはさぞかし大変だっただろう、と思う。
しかも! 仕込み途中に私が例の怪我でレッスンを休講してしまい、生徒さん達はものすごく焦っただろう。実に、申し訳ない!
しかも、しかも、「どうしてもこの曲を、コンペ形式の演出で、このドレスで踊らせたい!」という私のエゴ満載な演出も加わり、生徒さん達のハードルはどんどん上がっていったのである。私のエゴにつき合わせてしまったナンバーなのだが・・・出来映えは本当に素晴らしかった。
こんな感じで登場。
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ステージ後ろの中央に、圧縮してスタンバイ。
この後、1番を踊りながら放射線状に広がり、配置につく。上手くいけば格好良いけど、目指す場所へ行けないと悲劇である。
ずいぶん練習したかいがあり、本番では非常に美しく配置につけた。
なんでもない所も顔の角度や腕の角度が揃っている。
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下の写真は、ウエヘで前2つ後2つ移動するところ。
ウエヘのタイミングもよく揃っていた。そして、身長差はあるのだが、身体の高さも揃っている。見事!
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私が好きなのはこの写真。
全員のドレスの流れがぴったりと揃っている。本当に美しい。
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最後は左右に退場し、3人だけがステージに残る、という演出。残った3人が「おまけ部分」を踊る。コンペでもよく見られる演出だ。
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このクラスでは、初めてのベロア・ドレスだった。
ベロアというのは、光沢があるため、ドレスの流れがよくわかってしまう。(あえて、「しまう」と言いたい)
全員が一体となって踊らないと、相当な逆効果になる。また膝頭も出るので、ステップの習熟度や膝の曲がり加減も歴然とする。まさに、「先生泣かせ」のドレスなのだが、その特性を生かし、非常に美しいフラを踊ってくれた。
もちろん、今後もまだ改善していく所はあるのだが、とにかく、素晴らしい出来だった。

5 ピカケ・ラウナ・オレ
最後は私。踊り慣れた曲だけど、この曲は手のモーションが繊細なので、気が抜けない。
下の写真は、「香りを嗅いでいる」ポーズ。肩をしっかり上げ、目を細めるのがコツ。(私の場合、フツーにしてても目は細まってるが)
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このドレスはクラッシュ・ベロアという素材。普通のベロアよりも光沢があり、毛の向きがあっちこっちしている。かなり重量のある素材だ。こういうドレスの時は、膝をしっかり使ったステップを踏まないと、足が出ない。(ドレスが重いため)
下の写真は膝の使い方がよくわかると思う。
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体重をしっかり片足に載せないと、ドレスが揺れてくれない。ドレスが揺れてくれないと、裾を踏むハメになる。優雅なドレスで踊っているように見えるが、案外、力のいるドレスなのである。
下の写真は、体重をしっかり片側に寄せているのがよくわかると思う。
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今回のステージでは、MCも兼任していたため、ステージの後に客席付近でお客様にご挨拶することができなかった。
見に来てくださった皆さん、ありがとうございました!

また、今回のステージでは、各クラス、本当によく頑張ってくださった。
「うまくできなかった!」と思っている生徒さんもあるだろうが、私がビデオで見る限り、それぞれのクラスが一体感のある、「グループ・フラ」らしい演技ができていたと思う。難しい曲ばかりだったが、皆さん本当に努力されたと思う。
大切なのは、「間違えたかどうか」ではなく、「一体感があるかどうか」だ。
たとえ間違えても、そんなことは、どうということはない。それを引きずらず、他のメンバーとなじんだフラができたかどうかの方が、何倍も大事なのだ。
私がビデオで見る限り、それは全クラス、十分にできていた。
本当に素晴らしいフラを踊ってくれたと思う。

この日に踊った曲は、また踊る機会があるだろう。
その時には、今回以上の出来になるよう、また練習しよう!












日本の美

母のたっての希望で、今日は映画を見に出かけた。
映画は、「散り椿」。
そう、母の大好きな岡田准一と西島秀俊が出演している。
かく言う私も、時代劇は大好きだ。

昔はよく、時代劇のドラマもやっていたし、映画もたくさんあった。
しかし制作費がかかるのか、ここ数年は新作の時代劇ドラマはほとんどない。映画も少なくなった。
寂しい限りである。
それに伴ってか、殺陣の上手い俳優さんも少なくなった。
「どうにか、してくれ!」と叫びたくなる殺陣が多い。大御所が一人入っていると、なかなか見応えのある殺陣になるのだが、イマドキの若い俳優さんだけで、殺陣がへったくそ(たぶん、名古屋弁)なシーンを見せられると、本当にがっかりする。
若い俳優さんで、殺陣が上手いなぁと思うのは、山本耕史と岡田准一くらいだ。このお二人は剣先(けんせん)が生きている。
その岡田准一が出演している映画なので、私も二つ返事で母と見に行くことにした。

良い映画だった。
もちろん、期待していた殺陣は素晴らしかった。文句なし、だ。
岡田准一の身体はキレキレだったし、目線や背中からも感じる殺気や緊張も程よかった。
しかしそれを上回る良さがあった。
それは・・・
映像の美しさだ。
この映画はスタジオでの撮影は一切されていない。全部が、お寺とかお城などを使ったロケ映像だった。
日本の四季の自然の美しさ、芽吹く春、青々とした緑のまぶしい夏、涼をを感じる渓流、燃えるような紅葉、時折ドサッと落ちる枝の上の雪、稽古する二人に吹き付ける吹雪。日本の自然美のすべてが描かれていた。
縁側でお酒を飲みながら、主人公は庭を眺めているのだが、主人公でなくても、ずっと見ていたい自然の美しさだった。
そしてそれを引き立てているのが、自然光だった。
スタジオ特有の、カーッとしたライトではない、自然の光。
当然、室内の映像だと暗くなるのだが、それが気にならない。
確かに・・・お寺やお城の庭石が白いのは、日光をうまくそれに反射させて室内を照らすためだ。そういう場所で映画を撮影しているのだから、本当にリアルだった。
日本って、こんなに美しいんだなぁ・・・と実感した。

いつも時代劇の映画やドラマを見ると思うのだが・・・
時代劇は、俳優さんがあんまり大きくない方が、いい。
背の高い俳優さんだと、なんだか袴姿が似合わない。背が高い、というよりも、足の長いというのが、袴には無用だと思う。
腰の位置が高いと、袴姿がひょろひょろに見える。どっしり感がなくなる。
ついでに言うなら、それなりの肉付きでないと、着物の胸元が寂しい。薄い胸板だと、着物姿が美しくない。
だいたい、江戸時代の日本人男性の平均身長は、160センチに満たない。
その頃の衣装で、その頃の家屋で撮影するわけだから、小柄な人の方が、映像としてはしっくりする。
渡辺謙が「ラスト・サムライ」で袴をはいていた。彼は高身長だが、袴がとてもよく似合っていた。それなりの肉付きがあり、腰の位置が低めなせいだと思う。

これは私の個人的な意見なのだが・・・
日本人は今、「新型日本人」と「旧型日本人」に分かれていると思っている。
「旧型日本人」は、年齢だけで分けるなら、だいたい40代以上。「新型日本人」は、それ以降の年代。
高身長でも、やはり「旧型日本人」と「新型日本人」に分かれている。
私なんかは高身長だけど、やっぱり「旧型」なので、フツーの足の長さだ。たぶん、渡辺謙もそうなのだろう。
でも、私とほぼ同じくらいの身長でも、若い「新型」は、腰の位置が私よりずーっと高い。足が長い、というより、「胴が短い」のような印象だ。
岡田准一は身長も小柄だし、それなりの肉付きのある「旧型日本人」になる。
ところが彼の義弟の役をやった若い俳優さん(池松壮亮)は、身長は小柄ではあるものの「新型」なので、腰の位置が高く、袴姿がイマイチだ。
顔もあんまり小さいと、髷が似合わなくなる。
イマドキの俳優さんで、身長が小柄で、「旧型」体型で、顔が小さくない、なんて人は少ないような気がする。みんなスラッとしていて顔が小さく、胴が短い。
このままいくと、あと数十年で、袴の似合う俳優さんがいなくなってしまう!
これはゆゆしき問題だ!

殺陣をやるには、草履の裏やわずかに出た足の指先で地面を探る。
だから体勢が低くなる。(なんだかフラに似ている)
それを腰の位置の高い足長俳優ばっかでやるようになったら、どうなるんだろう。
殺陣も見応えがなくなっちゃうんじゃないか、と思ってしまう・・・。
なんだか、寂しい。

ともあれ、映画は本当に美しかった。
「まだ咲いて残っている椿があるから、安心して他の椿は散っていける」
というのは、なるほどなぁ・・・と。
日本人特有の考え方のような気がする。よく、わかる。
久しぶりに満足した映画だった。




posted by プアアカハイ at 14:38愛知 ☁Comment(0)日記