中小だからできること

昨夜、水戸の真理ちゃんからメールを頂きました。
ブログにコメントが入らなかったそうで、替わりにメールで知らせてくれました。
彼女は東京のご出身で、今年の初めまで名古屋に住んでいてレッスンに通ってくれていました。今は水戸に住んでいます。
真理ちゃんは名古屋在住時・・・赤棒をやはり知らなかったそうです。
「スーパーで売られてはいたのだろうけれど、素通りしていて、その存在にも気付かなかった」
とのこと。
確かに・・・アレは、おでん以外の使い途のない食材だ。目にとまらなくても不思議ではない。
また、やはり、おでんに里芋は入れないのだそう。
・・・じゃあ、どんな芋類を入れるんだろう。
イカン・・・どんどん話が茶の木畑に入っていく。

さて、今日は「中小」の話。
私は今、毎週日曜の「下町ロケット」というドラマを楽しみに見ている。
続き物のドラマを見るのは久しぶりだ。
前のブログでも書いたが、私はあまりテレビを見ない。せいぜい、スポーツ観戦(冬期のフィギュア・スケートは欠かさない)か単発のドラマ程度だ。なかなかゆっくりテレビの前に座っている時間もないので、どうしてもこうなる。
・・・それが、この「下町ロケット」には、かなりはまっている。
オッサンしか出ていないドラマなのだが、毎週、「そうだ!頑張れ!」とテレビの前で応援(?)している。

「下町ロケット」を見ていて、いつも感じる。
中小、というのは、本当に大変なんだなぁ・・・と。
私の父は昭和の大企業の企業戦士だったし、私の夫も私の前職も営利とはほど遠い仕事だ。その仕事では、現金をやりとりすることはない。もちろん給料は頂くのだが、現金や営利とは縁のない仕事だ。
だから、開発資金で追い詰められるとか、中小に対するイジメのようなものには無縁だった。利益のために、長い物にも短い物にも巻かれた経験はない。
「下町ロケット」は、東京の町工場が独自の技術開発をし、大企業にはできない、真似のできない「物づくり」をしていく・・・というドラマ。そこには浪花節的人情や資金難、大企業からのイジメ、中小の抱える様々な問題を描いている。それらは「私の知らない世界」なだけに、とても興味深い。
なかなかよくできているドラマだ。

そういうものには無縁で、前職時代にはあり得なかった「中小に対するイジメ」というのを、実は私も経験している。
これは教室の生徒さん達にも、母にも、話したことはない。夫だけが知っている。
私が教室を始めたのは、メリーモナークが終わって帰国し、先代クムから「教えるためのトレーニング」を終えてからのことだ。もう11年も前になる。
その頃、日本には大きなフラの教室がいくつかあった。でもまだフラブームではなく、その頃のフラは、一部の人々の限られた趣味として存在していたに過ぎない。
今のようにハワイのイベントやフラのステージなど、発表会以外にはほとんどなかった。
ほとんど、というのは、「少しは、あった」ということである。
その頃は、イベントに出るためにお金を払わなくてもよいものが多かった。今は出演する人が参加料を支払うシステムが一般的だが、昔はイベントが少ない替わりに、参加料は存在しなかった。
・・・それは、善し悪しなのだ。

お金を支払って出演するイベントは、言い方は悪いが、
「申し込んで、お金を支払えば、出演できる」
ということだ。つまり、かなりフェアである。
どんなに小さな教室やサークルでも、少人数グループでも、申し込んで参加料を支払えば、出演できる。
しかし私が教室を始めた頃はそういうイベントはなくて、無料で出演できた。
そのかわり、大きな教室や大人数のグループしか出演させてもらえなかった。
新参者の教室が出演させてもらえるイベントなど、皆無だった。
そして、運良く出演する運びになっても、出演直前に嫌がらせでキャンセルされてしまったり、複数ステージがあるイベントでは狭いステージに変更されたり、先生同士で爪弾き(名古屋弁でハバ)にされたりした。
楽屋を急に極狭の場所に変えられたり、早着替えの場所をもらえなかったり・・・と、これでも、当時はイロイロあったのである。
当時は私が名古屋では一番若い(!)教室主宰者だった。そしてメリーモナークでのタイトルやクム(先代)とのパイプもあったので、余計に、本当に数々の嫌がらせがあった。体験レッスンと称してスパイを送り込んでくる教室も複数あった。 ← すぐに見破ったが。こういう時、前職の経験が生きている。

「小百合ちゃんとこの教室が出演するなら、ウチは大口だけど、出演させない」
などと言う大きな教室もあり、イベントの出演にこぎつけるには、結構大変だった。
私は教室を開く前からお付き合いしてくださっている衣装屋さんがいるので問題なかったが、以前、親しくしている教室の先生が独立してご自身の教室を持った時に、名だたる衣装屋さんに「あそこの教室の衣装を請け負うならば、ウチの教室はあなたの所には衣装を発注しません!」というファックスを一斉に送り、衣装製作の妨害をされた、という話を聞いたことがある。
・・・まぁ、そういう世界なのである。悲しいことだが。でも、事実、そうなのだ。

そんな頃のことだ。
ある教室の先生から言われたことがある。
その先生は3000人規模の大きな教室を運営されていた。その割に気さくで、親切な先生だった。
だから、その先生のお人柄からすると、決して嫌みのつもりで言ったのではない。
その一言、というのは・・・
「数は力だからね」
というものだった。
これは受け手の問題やその先生との付き合いの深さに関係すると思うのだが、言葉だけだと嫌みと受け取る人もあるだろう。
しかし、私の場合は、ちょっと違った。
「そうだよなぁ」
と思った。
「小百合ちゃん、数さえいればね、どんな高名なクムでも喜んでワークに来てくれるよ。どんなイベントだって出られるし。」
と続けて言われた。
「そうだろうなぁ」と思った。
でも、私はその時、ちょっと違う考えを持った。
数は確かに力だ。だけど、力は数だけじゃない。
その時、私が本当にやりたい教室の姿が見えたような気がした。

確かに、生徒さんの数が多ければ、大きなステージにも出られるし、苦労なく値引き交渉もできるだろう。
ステージで嫌がらせされることもないだろうし、多くのプロモーターはこぞって集客力のある教室に出演してもらえるよう便宜を図るだろう。
それが自由競争社会であり、資本主義社会だ。当たり前のことである。
だけど・・・それならば・・・
「ぜひ、ウチのイベントに出演してください」
「ぜひ、ウチで衣装を作ってください」
と言わせれば良いワケだ。
・・・と、私は発想の転換をした。
「数は力だからね」と言った先生は、そのお人柄から、絶対に嫌みを言ったわけではない。何気なくおっしゃられたことだったろう、と思う。
嫌みと取る人もあるだろうが、私にとっては、実に実に大きな一言だった。
大きな、新しい発想を生んでくれた、かけがえのない言葉だった。

そして・・・そこから、私の教室は腕を磨くため、それまで以上に努力の必要な教室になっていったワケである。
小さくて、いい。
少ない人数で、いい。
腕を誇れる教室にしたい。
・・・生徒さん達には迷惑な話だったかもしれん・・・。
しかし事実、その後、何年かして、
「お宅の生徒さん達、上手いですねぇ。皆さん笑顔が素晴らしい。ぜひ、ウチのステージに出演してもらえませんか。」
「ぜひ、特別枠を作りますので、少人数でも出演していただきたい。」
・・・というお話を頂けるようになった。
父の介護や通院で教室を続けられなくなって、今年9月に教室は閉じたが、私は今でも、
私が運営してきた教室は、間違っていない
・・・と思っている。
多くの生徒さんは輩出できなかった。
だけど、腕のある生徒さんと共に練習してこられたことは、私の大きな宝だ。どの生徒さんも、全員、クムに直接見られても、私は恥ずかしくない。どんなに高名なクムでも、どんなに大きなハワイのステージでも。

小さい教室、というのは不便なことも多い。
でも、少ないからこそできることも多い。
少ないからこそ細かいところまで教えることができる。
少ないからこそ超難解なものに挑戦することもできる。
少ないからこそ底上げすることも簡単にできる。
・・・と私は思っているし、実際にやってみて、その通りだった。

よく親しい先生方と、「今後のフラ展望」のような事を話す。
フラ人口は確実に減っているし、その減ったフラ人口を多くの教室で分け合っている状態だ。
都市によっては、奪い合っている、という話も聞く。
今後、多くの教室が閉じていくだろう。私のような理由もあるし、生徒さんが減って運営できなくなることもあるだろう。
そして、「ウチは小さな教室だから・・・」と多くのことを諦める先生も出てくるかもしれない。
もし、このブログを読んでいる中小の教室の先生がいらっしゃったら・・・
少しでも何かの参考になれば、と思う。力は、数だけじゃない。
その教室にはそれぞれ、その教室にしかできないことがあるはずだ。
時間的・物理的な理由でなければ、どうか、それを模索してほしい。
そして、先生を信じてくれる生徒さんを、心から慈しみ、育ててほしい。
中小は、それができる。
生徒さん達の名前も覚えてもらえないような大きな教室とは違う、中小ならではの学ぶ楽しさや喜びを与えてほしい。
・・・なんて、教室を閉じてしまった私の言うことではないけれど。

「中小のひがみ」と受け取る人も多いだろう。
そう、世間から見れば、ひがみなのかもしれない。
でも私はひがんだことはない。
・・・どころか、
「どうだい! 少人数教室だと、こんなに腕を磨けるんだよ~」
なんて、誇らしく思っていた。
「下町ロケット」のような、中小の町工場に優れた技術者がたくさんいることと同じだ。
主人公は、自分の工場にいる技術者を誇りに思っている。
私も、そうだった。自分の教室の生徒さん達を誇りに思っていた。

今、多くのフラジプシーがいる。
教室に通ってはいるけれど、他の教室を探している人もあるだろう。
そんな時はぜひ、大きな教室だけではなく、中小の教室も体験レッスンに行っていただきたい。
「へぇ~ 小さな教室はこういう風か~」と思うことも多いだろう。
私は大きな教室を勧めるわけではないし、中小の教室を勧めているわけでもない。
自分に合っている教室をお勧めする。それが一番長続きするし、楽しい。
だから、教室を探している間は、多くの教室を訪れてほしい。
そんな時、「小さな教室だから」という理由で切り捨てるのは、実にもったいない。
ぜひ、中小の教室も視野に入れてほしい。
・・・と思うのだ。










永野先生の発表会へ ♪

未だ、赤棒ショックから立ち直れていません。 ← くだらんことだが
「夢の続き」さんホヌスキーさん、コメントありがとうございます!
う~ん・・・そうか・・・やはり関東方面でも、赤棒はないのですね。Iさんが、関西にはない、とおっしゃっていたので、赤棒は関東にも関西にもないものなんですね~
やっぱり、名古屋だけの物ってことなんだろうか。
里芋の入らないおでんがあるということも、今回、初めて知りました。関西ではじゃがいも、ということは知っていましたが、ホヌスキーさんのお住まいの関東でも里芋ではないのですね。
おでんって・・・奥深い。
地方によって、すき焼きの具やお雑煮の具も違うようです。
暇な時に調べてみよう。次の課題としよう。 

今日は岐阜県可児市まで、フラの発表会を見に行きました。
電車で、1時間ちょいです。
お教室の先生は、永野先生
もう長いお付き合いをしていただいています。Do Hawaii主催のハワイ旅行へもご一緒しました。
とても優しくて、親切な先生です。生徒さん達もしかり。先生と生徒さんって、よく似ています。これは他の教室にも言える。先生と生徒さん達って、一心同体のようなところがありますね。
この教室の生徒さん達も、とても気持ちの良い方ばかりです。
私の教室に通ってくださっていた元生徒の方々も数人、この発表会を見に来てくださっていて、並んで仲良く鑑賞しました。久しぶりにお会いできて、嬉しかったです。これも永野先生の結んでくださったご縁ですね。

プログラムは34曲という大ボリューム。
途中に休憩をはさみましたが、あっという間の3時間でした。
皆さん、素敵な衣装に手作りのティリーフのレイをされていました。このハラウのクムは、カヴェナ・マンなので、レイメイキングもきちんと教わっているのでしょうね。
どのクラスも一生懸命練習してこのステージを迎えた、ということがよく感じ取れました。おしゃれやファッションの一部のようにフラを習われる方が増えている中、ファッションではなく、真面目にフラに取り組んでいらっしゃる姿が、本当に気持ちよかったです。
温かい、家庭的な、楽しい発表会でした。

永野先生、お声を掛けてくださり、ありがとうございました!
永野先生の生徒の皆さん、お疲れ様でした!!
posted by プアアカハイ at 20:20愛知 ☁Comment(0)日記

赤棒

ホヌスキーさん、参考になりそうで良かったです!
足さえ、ちゃんと体重が載っていれば、それほど難しくなくできるようになりますよ。・・・とレッスンでは教えています。試してみてください。
なみちゃん、やっぱり里芋の大量消費には、「つぶして何とかする」という方法が良いようですね~
今まで、里芋をつぶして作る料理はトライしたことがないので、一度やってみます!

さて、今日はおでんの話です。
寒くなってきたし・・・里芋も大根もいっぱいあるし・・・ということで、昨日の夜からおでんを煮込んでいます。
ちなみに、昨日の夕食はおでんではない。今日の夜から食べるおでんを煮込んでいたのだ。(!)
我が家では、おでんは直径40センチ、高さ20センチの鍋で大量に作る。
作るのにも時間がかかる。
何と言っても、おでんは丁寧な下ごしらえが必要な具材のオンパレードだ。この下ごしらえを怠ると、透明な煮汁の、出汁の効いた美味しいおでんはできない。 ← 食べることには几帳面
昨日は帰りが遅くなったので、母が下ごしらえをしておいてくれた。一番面倒なところをやってくれて、ありがとう! 持つべきものは、元気な母である。

おでんに何を入れるか・・・という話を、大阪からレッスンに来てくださっているIさんと話した。
おでんの具材は地方によって、かなり違う。
Iさんが、「えっ おでんに里芋を入れるんですか?」と驚いていた。
そう、関西ではじゃがいもを入れる家庭が多いと聞いたことがある。名古屋ではじゃがいもよりも、圧倒的に里芋派が多い。
こんにゃくも、長方形のこんにゃくを三角形に四等分する。ところが関東では糸こんにゃくを結んでいる。この糸こんにゃくを結んだ物は、名古屋では入れるご家庭は少ない。
関西では昆布を結んだ物が必ずと言って良いほど入っているが、関東ではあまり見たことがない。

味付けも違う。
九州ではあごだしを使っている。
関東では鰹出汁で、かなり煮汁の色が濃い。関西では薄~い色の煮汁で昆布を使っているようだ。
お隣の静岡では、赤味噌ベースの煮汁だ。
名古屋でも赤味噌で煮るのか・・・と思われがちだが、そうではない。赤味噌文化の名古屋ではあるが、おでんは普通の出汁で煮る。食べる時に、赤味噌で作った「甘味噌」を付けて食べる。この甘味噌は各家庭によって、味が違う。神戸の「こうなごのくぎ煮」と一緒で、それぞれの家庭の味がある。
甘味噌は、人によっては全部の具材に付けるし、決まった具材にしか付けないという人もある。ちなみに夫は前者、私と母は後者である。

我が家では昆布でしっかり出汁を取り、そこにあごだしの出汁パックを投入する。最後に鰹だしをちょこっとだけ入れる。・・・という、かなり面倒くさい、気合いの入ったおでんを作っている。色は関西に近く、薄い色の煮汁になる。
これだけ手間をかけたおでんなので、当然、一夜の夕食で済むはずがない。三日は続く。
具材を足して足して足して・・・という具合だ。
「もう、飽きたがや」と誰かが言うまで、おでんラッシュは続く・・・
甘味噌は、我が家では甘めだ。
赤味噌なので「辛い」と全国的には思われているようだが、それは違う。
少量の水(お湯)に、鰹だし、砂糖、酒、みりん、赤味噌・・・というように作る。味を整えるために醤油を少し使う。この配分は各家庭によって違う。私はすりごまも入れる。
私は大抵、甘味噌をたくさん作って、おでんが終わると他の料理に転用する。味噌カツとか、豆腐のステーキ、豚や鶏の挽肉を炒めた物と細かく切った大葉を残った甘味噌に入れて軽く煮込み、ご飯に載せて食べたりする。
・・・ケチな名古屋人を地でいっている感があるが。(基本、太古の昔から、名古屋人はケチである)

昨日、レッスンが終わった後、Iさんとおでんの具材について話をしていた時のことだ。
里芋を使う、というのに驚かれたことに、私は驚いた。名古屋では、「里芋の入っとらんおでん」など、見たことがない。
下ごしらえの必要な里芋は、最初のおでんから入れる。我が家では、その後、何日か経って(!)、里芋がなくなった頃にじゃがいもを入れたりする。じゃがいもは下ごしらえも必要ないし、里芋よりも簡単に味がしみるので、煮汁が完成しているおでんに後から投入しても問題ない。里芋は「後から投入」をすると、味がしみにくい。
こんにゃくも味がしみにくいので最初から大量に入れる。それも何日かすると(!)なくなるので、私は厚揚げや飛竜頭を「後から投入」する。こんにゃくも「後から投入」に適しない具材だ。
そして、いわゆる「練り物」系は、出汁が出るので最初から入れるが、それがなくなると、追加する。我が家では、練り物は最初は5~6パック入れ、「後から投入」も5~6パック入れる。
ゆで玉子も同様。
・・・ものすごく、ダイナミックなおでんなのだ。
きっと、見た人はビックリすることだろう。

Iさんに、「練り物って、どんなのを入れますか?」と尋ねられた。
牛蒡の入ったやつ
イカの入ったやつ
タマネギや野菜の入ったやつ
紅ショウガの入ったやつ
・・・というのは、関西も同じだそうだ。
その他、餅巾着や厚揚げ、飛竜頭なんかも同じだそうだ。
しかし、私はまたビックリすることとなった。
赤棒
これは外せない!と話したところ、「なんですか、それ?」と聞かれてしまった。
えっっっ 赤棒って、このへん(名古屋周辺)だけの物だったの???

「だ・か・ら~ 赤い、ピンク色の、長さ8センチ位の棒状のはんぺんだが~」
と答えた。
しかしIさんの表情は「?」な感じだった。
「物によっては、中にゆで玉子らしき物が入っとる」と説明した。パックの表面には、ちゃんと「赤棒」とプリントされたシールが貼られている。
これの入っとらんおでんなど、おでんではない。
・・・と、少なくとも私は思っている。クリープを入れないコーヒーはありだが、赤棒の入っとらんおでんはありえん。
Do Hawaiiのスタッフのミルク(男性。名古屋育ち。ミルク、というあだ名。)に、
「ねぇ! 赤棒って、おでんには普通は入れるよね!」
と、若干おかしな日本語で同意を求めた。それほど、興奮していたのだ。
「ええ。普通は入ってますよ。美味しいですよね。」
と、私の期待通りの答えを得た。そう、それが当たり前なのだ。

じゃあ・・・赤棒って、他の地域にはない物なのか???
このへんだけの食べ物なのか???
個人商店が作っている「独自の食べ物」と違って、ちゃんと「赤棒」とプリントされたシールが貼られていて、大量生産されているのに、このへんだけの物なのか???
・・・疑問は深まる。
子供の頃から、当たり前に食べてきたおでんの具材だ。それが、「一般的ではない」と知ったショックたるや!
ちなみに私はおでんの中ではこの赤棒が一番のお気に入りである。
それが、「一般的ではない」なんて! 信じられん。
このトシになると、それほどビックリすることもなくなるし、羞恥心もなくなる。そんな私が、何年かぶりというレベルでビックリしてしまった。

赤棒というのは、こういうヤツである。
赤棒.jpg

下の物が、普通の赤棒。上の物が、中に玉子が入った物である。
名古屋では、これの置いていないスーパーなど、ない。

そして、気がついた。
そう言えば、コンビニのレジ横で売られているおでんで、この赤棒って、見たことがない。
ということは、やはり、「全国区」の食べ物ではない、ということなのか???
逆に、糸こんにゃくの結んだ物が売られていて、「なんじゃ、こりゃ」と思った覚えがある。
そして・・・PCでこのブログを打っているのだが、「あかぼう」と入力すると、「赤帽」が出てくる。「赤棒」ではない。イチイチ、「あか」と打って変換し、「ぼう」と打って変換しないと、「赤棒」にならない。・・・ってことは、やっぱり全国区の単語ではないのか???

名古屋は独自の食文化、などと言われるが、私は「独自」「特殊」と思ったことは一度もない。
当たり前だ。名古屋とハワイ島にしか、住んだことがないのだから。
味噌汁だって、私に言わせりゃ、「赤に決まっとる!」のだ。なんで他の地方ではワザワザ「赤だし」などと書かれているのか、全然理解できんのである。
味噌煮込みうどんを送った神戸の友人が、「煮込んでも煮込んでも、おうどんがちっとも柔らかくならない」と言ってきたことがある。当たり前だ。アレは、「芯の残った状態」で食べるものだ。一人用土鍋で食べる物なので、食べてる間に柔らかくなる(時間の節約)。そして、半煮えになった玉子は味噌の汁をからめて、ご飯の上に載せる。これでご飯も食べられる(ご飯のおかずの節約)。
あんかけパスタを食べに行った時は、「ソースが少なすぎるんじゃない?」と言われたこともある。当たり前だ。アレは、「少ないソースをパスタにからめて食べるための知恵」なのだ。(名古屋人はケチ)
ちなみに、それと同じ事は、きしめんにも言える。きしめんが平たく太いのは、「少ないゆで時間で」(ガス代と時間の節約)、「出汁が少なくても麺にからめられる」(汁の節約)という理由だ。
・・・こうして見ると、名古屋の食文化って、「ケチ」に由来するものが多いのだなぁ。

しかし、赤棒は、「ケチ」とは関係ない。・・・と思う。
ちょっと甘めで、基本的には中には何も入っていない。でも柔らかくて、なんだか美味しい。
名古屋へいらした時には、ぜひ「赤棒」の入ったおでんを食べていただきたい。
味的には、たぶん万人に受け入れられる物だと思う。
う~ん、東京出身の真理ちゃんに聞いておけば良かった。彼女は今、水戸にいる。彼女は名古屋在住時、赤棒を食べただろうか。どんなふうに感じただろうか。

いやはや・・・赤棒が一般的ではないことを知って、本当にビックリした。
あんまり驚いたので、思いの外、赤棒や名古屋の食文化について書いてしまった。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。